月経困難症とは?ピルによる治療やOC・LEPの種類の違い、避妊効果を徹底解説

生理
更新日:2025.10.30
月経困難症とは?ピルによる治療やOC・LEPの種類の違い、避妊効果を徹底解説

「生理になるといつも生理痛がつらい…」と感じながらも、つい我慢してしまう女性も多いですよね。その痛みが日常生活に影響する場合は、「月経困難症」の可能性があります。無理に我慢せず、医師に相談して自分に合った治療を受けることが大切です。

「月経困難症ってなに?」「低用量ピルは自分に合うの?」「副作用や費用は?」といった疑問もあるでしょう。月経困難症の仕組みや生理痛との違い、低用量ピルなどの対処法をわかりやすく紹介していますので、自分に合った方法を見つける参考にしてみてくださいね。
痛みを軽くして、毎日を少しでも快適に過ごしましょう。

月経困難症とは?

月経困難症は、生理が始まるとともに起こる病的な状態をいいます。下腹部痛をはじめとしたお腹や腰の痛みなど、いわゆる生理痛と呼ばれる症状に加えて、頭痛や吐き気、食欲不振、疲労感、下痢、イライラや憂うつも月経困難症の症状の1つです。
また、ピル服用時などの排卵がないときの生理においては生理痛は起こりづらいといわれています。

月経困難症の種類

月経困難症には、原因となる疾患がない「機能性月経困難症」と生理痛の原因になる疾患がある「器質性月経困難症」の2種類に分けられます。

機能性月経困難症

初潮から1年〜2年で発症することが多く、原因となる疾患もなく発症することから「原発性月経困難症」とも呼ばれています。経血を排出するときに発生するプロスタグランジンというホルモンによって下腹部痛や腰痛、吐き気などの症状が起こります。月経困難症の可能性がある人の中で、おおよそ4割が機能性月経困難症といわれています。

器質性月経困難症

初潮から5年以上経過して発症することが多く、なんらかの原因となる疾患があることで起こる月経困難症を指します。特に、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症が原因疾患となっており併発して発症するケースも少なくはありません。
また、原因疾患に続いて発症することもあるため「続発性月経困難症」とも呼ばれています。

月経困難症の原因

月経困難症になる原因は、機能性月経困難症か器質性月経困難症で異なります。

機能性月経困難症の原因

機能性月経困難症では、前述にもあったようにプロスタグランジンの過剰分泌や子宮口が狭いなどの理由で経血が逆流してしまい卵管を通って骨盤内に流れ込んでしまうことで痛みが起こるとされています。また、ストレスなどの心理的要因で痛みが強くなったり、運動不足で血行不良の場合でも痛みが増すことがあります。

器質性月経困難症の原因

子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの疾患が原因で痛みが起こります。

子宮内膜症 子宮の外(卵巣、骨盤内など)で子宮内膜に似た組織が増殖してしまう疾患

子宮外でも生理が来ると出血するため、行き場がなくなった血液が溜まってしまい強い痛みを起こす

子宮筋腫 子宮を形成している筋肉の一部が増殖し、良性の腫瘍ができる疾患

腫瘍が大きくなるにつれて、経血にレバー状の血の塊が混じることがある

子宮腺筋症 子宮内膜が子宮の筋肉に入り増殖し、子宮全体が大きく膨らむ疾患

強い痛みと共に、出血量も増えることが多い

月経困難症はピルで緩和する?治療方法について

月経困難症の症状を緩和するには、以下のような方法があります。

根本的な疾患を治す

器質性月経困難症の場合は、原因となる疾患(器質性疾患)の治療が最も重要となります。
ピルや黄体ホルモン製剤などのホルモン療法に加え、IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)の装着がほとんどですが、子宮や卵巣の病巣を摘出する必要があることもあります。閉経が近い方で軽症の場合は経過観察のみのこともあります。

カウンセリングを受ける

薬物療法などが効果が現れない場合には、心理的社会的原因が関係していることも考えられます。そこで、カウンセリングを実施して緩和していくといった方法もあります。

薬を服用する

機能性月経困難症では、痛みを抑える対処療法として鎮痛剤(痛み止め)を服用するのも1つの手段です。また、月経困難症の治療薬とされているLEP製剤のピルを服用して排卵自体を抑制して痛みを軽減させる方法もあります。

ピルの服用方法

低用量ピルは、1日1錠、毎日決まった時間に飲むのが基本です。服用は原則として生理が始まった初日からスタートして、21日間連続で飲み続け、その後7日間は服用を休みます(休薬期間)。28錠タイプのピルの場合は、この7日間に薬の成分が入っていない偽薬(プラセボ)を飲みますが、これは飲み忘れを防ぐためのものです。

ピルは飲み忘れしないことが大切ですが、もし24時間以内(1錠分)の飲み忘れに気づいた場合、すぐに忘れた分を服用し、その日の分もいつも通りの時間に飲みましょう(1日に2錠服用しても問題ありません)。

しかし、2錠以上飲み忘れた場合は服用を一旦中止し、次の生理が始まってから新しいシートで服用を再開する必要があります。旅行や外泊の際も、飲み忘れを防ぐために必ず携帯するようにしましょう。

ピルの種類

低用量ピルには、OC(避妊目的)とLEP(月経困難症・子宮内膜症の治療)の2種類があります。

・OC(避妊用)
避妊が主な目的。生理痛やPMSの改善にも効果がありますが、保険は使えず自己負担。
・LEP(治療用)
月経困難症や子宮内膜症の治療が目的。医師の診断と検査が必要で、治療目的なら保険が適用される場合がある。

また、ピルはプロゲスチンの種類によって世代が分かれ、体質や目的に合わせて選ばれます。

世代 主成分
(プロゲスチン)
代表的な薬 主な用途 分類 値段目安
第一世代 ノルエチステロン ルナベル
フリウェル
月経困難症 LEP
(治療用)
3,500〜4,000円
第二世代 レボノルゲストレル トリキュラー
アンジュ
ラベルフィーユ
避妊 OC
(避妊用)
3,500〜4,000円
第三世代 デソゲストレル マーベロン
ファボワール
避妊・肌荒れ改善 OC
(避妊用)
2,500〜3,000円
第四世代 ドロスピレノン ヤーズ
ヤーズフレックス
ドロエチ
月経困難症 LEP
(治療用)
4,000〜5,000円

このように、ピルは「目的(避妊か治療か)」と「世代ごとの特徴」によって、あなたに合うものが変わります。費用や副作用の違いがあるため、医師と相談しながら自分に合ったものを選びましょう。

月経困難症の治療薬として処方される保険適用のピル

月経困難症の治療では、保険が使えるLEP(治療用ピル)が処方されます。主にルナベル(フリウェル)シリーズとヤーズ(ドロエチ)シリーズがあり、成分量や服用方法の違いによって、副作用や費用、生理のコントロールのしやすさに差があります。

病院では、費用を抑えられるジェネリックが処方されることが多いでしょう。これらは日本では避妊薬としては承認されていないということです。月経困難症や子宮内膜症の治療のためのお薬として処方されています。

種類 後発薬
(ジェネリック)
特徴・メリット 注意点
ルナベルLD フリウェルLD ・低用量ピル
・28日周期
(21日服用+7日休薬)
・薬価が安く費用負担が少ない
・不正出血のリスクあり
・毎月7日間の休薬が必要
ルナベルULD フリウェルULD ・超低用量ピル
・28日周期
(21日服用+7日休薬)
・副作用
(吐き気・頭痛)がLDより少ない
・費用負担が少ない
・不正出血のリスクはLDより高い
・毎月7日間の休薬が必要
ヤーズ ドロエチ ・超低用量ピル
・28日周期
(24日服用+4日偽薬)
・エストロゲンが少なく副作用が少ない
・休薬期間が短くホルモン変動が少ない
・ルナベルより薬価が高い
ヤーズフレックス ・超低用量ピル
・連続服用可能
(最大120日)
・生理やPMSの症状を減らせる
・生理回数そのものを減らせる
・ルナベル、ヤーズより薬価が高い

どのピルも、それぞれ特徴や副作用のリスク、費用に差があります。自分の症状やライフスタイルに合わせて、医師と相談しながら最適なものを選びましょう。

避妊や月経移動で処方される保険適用外のピル

避妊や生理のタイミングを調整したいときに使われるのが、OC(低用量避妊ピル)です。保険は使えませんが、費用を抑えられるジェネリックもあります。
毎日の服用と休薬のリズムを守ることで、避妊ができるだけでなく、生理に関する不快な症状の軽減にも役立ちます。

種類 後発薬
(ジェネリック)
特徴・メリット 注意点
トリキュラー ラベルフィーユ ・第1世代、3相性ピル
(女性周期に合わせてホルモン量が3段階に変わる)
・28日周期
(21日服用+7日偽薬)
・周期が安定しやすく、不正出血が少ない
・保険適用外
・飲み始めに腹痛、悪心、吐き気などの副作用が起こることがある※
マーベロン ファボアール ・第3世代、1相性ピル
(黄体ホルモン量が一定)
・28日周期
(21日服用+7日偽薬)
・PMSの改善や大人ニキビ、多毛症にも効果が期待できる
・保険適用外
・飲み始めに不正出血、悪心、頭痛などの副作用が起こることがある※
・長期間の服用で性欲減退や抑うつの症例が報告されている

※飲み始めの吐き気、腹痛、頭痛などの副作用は、どの低用量ピルにも起こる可能性があります。

ピルは、服用と休薬のリズムを守ることで、避妊や生理の不快な症状を軽くする効果が期待できます。休薬機関に飲む偽薬(プラセボ)は飲み忘れても体に影響はありませんが、飲み忘れの習慣がついてしまうと、成分の入った実際のピルまで飲み忘れてしまう可能性があります。

ピルには特徴や注意点があるため、体質や目的に合ったものを医師と相談して選びましょう。

月経困難症の気になるQ&A

ここでは、月経困難症においてよくある質問についてまとめました。

月経困難症は何科を受診したらいい?

月経困難症かもしれないと思ったら、婦人科を受診するようにしましょう。
また、受診する際はいつから痛みがあるのか、他に症状がないかなどもメモしておくと安心です。

月経困難症を放っておくとどうなる?

器質性月経困難症だった場合、放置しておいても原因疾患が自然治癒することは閉経するまでは少ないといえます。また、子宮内膜症は症状が悪化していくと不妊にも繋がる可能性があるといわれています。将来的に妊娠を希望するのであれば、早めの治療が大切です。

月経困難症はどのように検査される?

まずは口頭での問診を受け、月経歴や痛みやそれ以外の自覚症状、日常生活への支障の程度について確認があります。
その後は診療に移ります。膣に器具や指、超音波(経腟超音波)を挿入して原因となる疾患がないかを確認します。ただし、性交渉の経験がない場合にはお腹の上から超音波で確認する(経腹超音波検査)こともできるため、抵抗のある方は医師に相談してみてくださいね。

月経困難症を緩和するために自分でできることはある?

治療のほかにも、日常生活で工夫することも大切です。なるべく冷やさないようにするためにも、定期的に入浴をする、お腹を冷やさない下着を履く、貼るタイプのカイロを使用する、温かい飲み物を選ぶなどを心がけるとよいでしょう。また、体の緊張状態をほぐすためにも簡単なストレッチや適度な運動なども効果的です。

月経困難症やピルに関する相談は婦人科へ

本記事では月経困難症について解説してきました。少しの痛みだから我慢しなきゃと思う必要はありません。たがが生理痛と甘く見てしまうと、原因の疾患があったときに見逃してしまうリスクもあります。まずは、婦人科を受診して医師に相談してみてくださいね。

オンラインピル診療・処方サービスの「メデリピル」では、月経困難症の治療法の1つでもあるピルをオンラインで処方してもらうことができます。
診療予約から処方までスマホ1つで完結することができ、再診料もずっと無料なため、安心して続けることができます。

ピルをはじめるならメデリピル

産婦人科医に相談できるオンラインピル処方

産婦人科医が100%診療

専門的な知識を持った現役産婦人科医が診療を担当をするので、生理やカラダに関する不安や疑問を安心して相談することができます。

再診料がずっと無料だから何度でも医師に相談できる

ピル飲み始めの不安や疑問、副作用などについて気軽に相談できます。
副作用について心配な方は副作用緩和薬も同時に処方可能です。希望する場合は診療時に医師へお伝えください。

低用量ピルなら初月ピル代無料

低用量ピルの定期便プランなら5種類のピルが初月無料※対象!
まずは試してみたい方にもおすすめです。
※低用量ピルは、3シート目お受け取りまで解約は不可となります(種類変更はいつでも可能です)

月経移動ピル・アフターピルなら送料無料

生理日を移動する際の中用量ピルや、アフターピルは送料無料!
また、低用量ピルと同時処方で診療代も無料になります。
最短当日発送だから、お薬をすぐに服用したい方も利用しやすい◎
東京23区内にお住まいであれば「当日お届けプラン」※もお選びいただけます。
希望する方は診療時に医師へお伝えください。
※別途送料3,850円(税込)、診療時間によって、当日中にお届けが出来ない場合もあります
※お住まいの地域によってはお届けまでに数日かかる場合があります

予約から診療までオンラインで完結

公式LINEから24時間いつでも診療予約OK!スマホから診療・処方後は自宅までピルをお届けするため、忙しい方にもおすすめです。

※メデリピルは医療機関とユーザーを繋ぐプラットフォームです
※診療やピルの処方等は保険適用外・自由診療であり、医療機関に所属する医師が行います
※医師の診療は必須となり、薬が処方された場合に発送いたします

監修者

日本医科大学武蔵小杉病院 助教
海渡 由貴
2015年日本医科大学医学部卒業後、2年間の初期研修を経て、2017年より日本医科大学産婦人科学教室に入局。 大学病院、市中病院、クリニックなど幅広く勤務を経験。 日本女性医学会、日本生殖医学会、日本周産期・新生児学会に所属し、日々最新の知識を習得し、現在は日本医科大学武蔵小杉病院にて助教を務める。 2024年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

※2 低用量ピル/超低用量ピルのみ対象となります

mederi Delicate Wash
気になるキーワードで
検索しよう!
検索

カテゴリ一覧

生理

生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。

記事一覧をみる

ピル

ピルは世界で1億人以上の女性が服用している女性ホルモンを含む医薬品です。
ピルの種類や効果、副作用について詳しくご紹介。

記事一覧をみる

インタビュー

mederiのサービスに携わっているメンバーや有識者の方々が、よりユーザー様と近い距離から「mederiならでは」の情報をお届け。

記事一覧をみる

漫画

こんな経験”あるある!”と思わず頷いてしまう?mederiユーザーからの体験談に基づいた、mederiオリジナル漫画シリーズです。生理やピル・女性の健康に関して、楽しく学んでみましょう!

記事一覧をみる

占い

「ご自愛」をコンセプトに、毎月の運勢を12星座別に占うコンテンツ。ご自身の心を高める「ご自愛アイテム」もお伝えしています。

記事一覧をみる

出張授業

mederi出張授業のレポート記事をお届け。
生理のしくみやからだについての理解を深め、男女ともに正しい性の知識を提供しています。

記事一覧をみる
  1. オンラインでピルの診療・処方・相談|メデリピル
  2. mederi WEBマガジン
  3. 生理に関する医師監修記事一覧
  4. 月経困難症とは?ピルによる治療やOC・LEPの種類の違い、避妊効果を徹底解説