PMSで生理前の吐き気が起こる？起こる原因や対処法、治療法について解説

これまで、生理中に吐き気を感じたことはありませんか？実はこの吐き気は、生理痛の原因と深く関わっています。今回の記事では、生理痛に伴って生じる吐き気の原因と、その改善方法について解説していきます。吐き気以外の胃痛や貧血などの症状についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

生理前の吐き気はPMSかも

生理前に起こる吐き気などの不快な症状は、PMS（月経前症候群）の可能性があります。
PMSは生理前3〜10日前から起こる身体的・精神的な症状で、生理開始とともに軽減される傾向にあります。日本人女性の70〜80％が生理前になると不調を感じているといったデータもあり、PMSは誰にでも起こりうると言っても過言ではありません。

参考：日本産婦人科学会 月経前症候群（premenstrual syndrome : PMS）

PMSの症状とは

PMSの症状は、大きく分けて身体的症状と精神的症状に分かれます。

・身体的症状
腹痛
腰痛
むくみ
吐き気
のぼせ
めまい
倦怠感
乳房やお腹の張り
便秘
過食や偏食

・精神的症状
イライラ
気分の落ち込み
不安
情緒不安定
眠れない
眠気が酷い
集中力の低下

上記が主な症状ですが、精神的な症状が強く出ている場合にはPMDD（月経前不快気分障害）の可能性もあります。

PMDDについては以下の記事もご覧ください。

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生理前に精神が不安定になる理由は？PMDD（月経前不快気分障害）の特徴や対策を解説

2025.05.27

PMSが起こる原因

PMSが起こる原因は明確にはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が影響しているとされています。生理前の黄体期に女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に低下することで、脳内にあるホルモンや神経伝達物質のバランスが乱れて精神的な不調が起きるとされています。また、ストレスも影響するとされているため、さまざまな要因が重なってPMSが発症する可能性があります。

参考：日本産婦人科学会 月経前症候群（premenstrual syndrome : PMS）

PMSによる吐き気を緩和する方法

生理中に吐き気が生じると、いつも以上に身体も気分も辛くなってしまいますよね。ここでは、そんな吐き気を緩和する方法を3つ紹介します。

身体を温める

まずは、身体を温めることが大切です。身体が冷えると血行が悪くなるため、子宮は凝り固まって収縮性が悪くなります。このような状態で経血を排出しようとすると、子宮を収縮させようとして多くのプロスタグランジンが分泌されてしまいます。カイロや腹巻きなどを使ったり、湯船に浸かったりして、下腹部を重点的に温めるようにしましょう。また、軽めの運動を行うと、身体が温まる上に気分もリフレッシュできるのでおすすめです。

胃に優しい食事をとる

生理中は、アルコールやカフェインなど刺激の強いものは避け、おかゆやうどんなど胃に優しく消化しやすい食事をとるように心がけましょう。また、生姜やナッツなどは血流を良くし、体を温める効果があるとされているためおすすめです。生理中は食欲が湧かないこともあるかもしれませんが、空腹状態だとより吐き気が強まってしまう可能性があるため、できるだけ空腹状態にならないよう気をつけましょう。

市販薬を使用する

身体的症状がつらい場合には、市販の漢方薬や鎮痛剤を使用するのも一つの手段です。

吐き気、頭痛、むくみ、めまいといった不調は、東洋医学では「水毒（すいどく）」と呼ばれる状態が関係していると考えられています。水毒とは、体内に余分な水分が滞ってしまっている状態のこと。これを改善するための漢方薬の中には、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬もあります。

例えば以下のような処方が、水毒の症状に対して用いられます。

・当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）：頭が重い、めまい、冷えやすい、肩がこるといった症状に効果があるとされています。

・五苓散（ごれいさん）：むくみや頭痛の症状に対して用いられることが多い処方です。

・苓桂朮甘湯（りょうけいじゅつかんとう）：めまいを伴う体調不良に適しているとされます。

ただし、日常的に複数の漢方薬を服用している方は、知らないうちに同じ成分を過剰に摂取してしまう可能性もあるため、使用の際は成分や配合をしっかり確認することが大切です。

低用量ピルを利用する

吐き気の緩和においては、低用量ピルの服用もおすすめです。低用量ピルには、子宮内膜を薄い状態に保つ作用があります。これにより、剥がれ落ちる子宮内膜の量が少なくなるため、子宮を収縮させるプロスタグランジンの分泌も減り、生理痛や吐き気の改善が期待できます。

生理前の吐き気は妊娠の可能性がある？

PMSだと思っていたら妊娠初期症状だったというケースも少なくありません。
PMSか妊娠初期症状かわからない場合には、基礎体温をチェックしてみる、もしくは、生理予定日を過ぎてもPMSの症状が軽減されない場合には、市販の妊娠検査薬を使用して確認してみましょう。不安な場合には産婦人科で検査することもできるため、受診を検討するのもおすすめです。

PMSは治療が可能？

PMSは治療が可能な症状です。いくつかの治療方法があるため、自身にあった治療法を選択することができます。それぞれ見ていきましょう。

ホルモン療法

ホルモン療法では低用量ピルを用いて治療を行います。PMSの原因には、排卵後の女性ホルモンの変動があります。低用量ピルには排卵を抑制する効果があるため、女性ホルモンの変動も併せて最小限にすることができます。低用量ピルによる排卵の抑制は一時的なものであることから、服用を中止すれば排卵は再開します。そのため、ピルを服用したからといって不妊になる心配はありません。

漢方薬

先述にもあったように、漢方薬で治療をすることもあります。体力や体質などによって、加味逍遥散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸などを用いて治療をします。
⭐︎婦人科で自身の症状に合った漢方を処方してもらうのもおすすめです。mederiさんで漢方取り扱いがあるため、いれても、いれなくても！⭐︎

生活習慣の改善

PMS（月経前症候群）とうまく付き合うには、まずは自分の心と体のリズムを知ることが大切です。日々の気分や体調をメモしてみると、ゆらぎのパターンが見えてきて、ちょっとした工夫もしやすくなります。

ほっとできる時間をつくったり、自分に合ったセルフケアを見つけるのもおすすめ。つらいときは、頑張りすぎず、仕事や家事の手を少しゆるめてみてくださいね。

食事面では、玄米や野菜など食物繊維やミネラルが多いものを意識して、反対に、甘いものやお酒、たばこは控えめにすると、心と体が整いやすくなります。

生理前の吐き気は適切な治療が大切、まずは医師に相談しよう

今回の記事では、生理痛に伴って生じる吐き気の原因と、その改善方法について解説しました。子宮内膜が剥がれ落ちる際に分泌されるプロスタグランジンという物質は、子宮のほかに胃や血管なども収縮させるため、吐き気や腰痛など様々な症状を引き起こします。身体を温めたり低用量ピルを服用したりすることで、これらの症状は改善する可能性があります。あまりに痛みが強い場合は、何か別の病気が隠れている可能性もあるため、我慢せず医師に相談するようにしましょう。

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