生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理痛で仕事がしんどい…休むのは甘え?集中できない時や眠い時の対策
生理でしんどくても仕事の責任もあるし、周りの目も気になる。本当は体がつらくても、「休むなんて甘えかも」と自分を責めてしまう…。そんなふうに、痛みや不調を抱えながらも頑張り続けていませんか?
ですが、その痛みは決して「我慢すべきこと」ではなく、体からの大切なサインです。無理をして自分を追い詰めてしまう前に、生理で仕事がしんどいときの対処法について一緒に考えてみましょう。
生理で仕事がしんどいときに考えられる原因や対処法、生理休暇や、よくある疑問についてわかりやすく解説します。毎日頑張るあなたが、少しでも心と体を軽くして自分らしく輝けるように、お手伝いできれば幸いです。
もくじ
仕事中、生理痛がひどい場合はどうしてる?
連合東京の調査によると、生理痛が強いと感じる女性のうち、約61.9%が薬の服用や通院などで何らかの「対処をしている」と回答しています。
一方で、約37%の女性が「何も対処していない」と答えています。痛みを感じながらも我慢して働いている女性が、いかに多いかという現状が伝わってきますね。
また、年代別に見ると、20代・30代の若い層は「通院、薬の服用のみ」で対処する割合が高く、7割以上を占めています。このことから、若年層ほど積極的に薬や病院を利用する傾向にあることがわかります。痛みを我慢せず、市販薬が効かないほどの症状がある場合は、我慢せずに必ず婦人科を受診しましょう。
※参考:「生理休暇と更年期障害に関するアンケート調査」(連合東京男女平等局)
生理の影響で仕事に支障が出る人の割合はどれくらい?
調査によると、働く女性の約6割(58.8%)が生理に伴う不調で仕事や日常に支障を感じていると報告されています。この影響は深刻であり、元気なときを10点とした場合、生理期間やPMS中の仕事のパフォーマンスは平均5.2点分も低下するという結果が出ています。
このデータから、月経やPMSによる不調が、決して「気のせい」ではなく、働く女性の大多数に共通する、生産性に直結する課題であることがわかります。
また、女性の約8割(76.3%)が、「女性に特化した健康支援は、パフォーマンス維持や、長く働くことにプラスになる」と回答しています。これは、多くの女性が適切なサポートがあれば、不調に悩まされずに、もっと長く、いきいきと活躍できることを強く望んでいる証拠といえるでしょう。
※参考:「女性の仕事と健康支援に関する意識調査」(ヘルスケアテクノロジーズ「HELPO」)
生理で仕事がしんどいときに考えられる原因
生理中の体調不良がつらくて、仕事のパフォーマンスが落ちてしまうのは本当につらいですよね。「どうしてこんなにしんどいんだろう」と感じるその不調には、いくつかの原因が考えられます。
ここでは、仕事に支障が出るほどつらい症状の主な原因を見ていきましょう。
生理痛
仕事にならないほど支障が出るつらい生理痛は、月経困難症かもしれません。「いつもの痛み」だと放置せず、自身の体の状態を確認することが大切です。
生理痛の主な原因は、経血を体外に押し出すために子宮が強く収縮する際に、痛みの原因物質である「プロスタグランジン」が過剰に分泌されることです。これにより、下腹部や腰に激しい痛みが生じます。この痛みは、単に「お腹が痛い」だけでなく、プロスタグランジンの作用で吐き気や頭痛、仕事に支障が出るほどの強い眠気・だるさといった全身の不調も引き起こすため、仕事に集中することが難しくなります。
また、月経困難症には、病気がない機能性のものと、子宮内膜症などが原因の器質性とがあり、症状が重い場合は病気が隠れている可能性もあるため、早めに受診しましょう。
PMSやPMDD
生理が始まる1週間〜10日ほど前から現れるPMS(月経前症候群)や、特に精神症状が重いPMDD(月経前不快気分障害)も、仕事を困難にする要因のひとつです。
PMDDは、生理のある女性の約1.8~5.8%に該当するとされ、強いイライラや抑うつ感、強い不安など、心の症状が主体で現れるのが特徴です。
これらの症状が、仕事では集中力の低下や睡眠障害を引き起こすため、トータルでパフォーマンスが低下してしまうのです。
ほかの婦人科系の病気
仕事に支障が出るほどつらい症状が続く場合、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の病気が隠れている可能性も考えられます。これらの病気では、通常の生理痛では起こらないような症状が出ることがあります。
痛みの変化:鎮痛剤が効かない、または年々痛みがひどくなっている
出血の異常:経血量が異常に多い(過多月経)、レバー状の血の塊が頻繁に出る
痛みの場所:生理時以外にも排便時や性交渉時に強い痛みがある
症状を放置すると病気が進行し、不妊などのリスクも高まります。鎮痛剤が効かないほどのつらい症状がある場合は、必ず婦人科を受診するようにしましょう。
生理休暇とは
生理休暇とは、生理によって仕事に就くことが著しく困難な女性に対して、企業が必ず与えなければならない休暇です。これは労働基準法第68条で義務付けられている措置であり、従業員から請求があった場合、企業は理由を問わず休暇を拒否することはできません。休暇の日数や期間に制限はなく、社員の苦痛の程度や生理期間に合わせて、半日や時間単位での請求も可能です。
※参考:「労働基準法 第六十八条」(e-Gov 法令検索)
生理休暇の取得率は低い
日本では法的に「生理日の就業が困難な場合、休暇請求可」と定められているにも関わらず、実際に取得している人はごくわずかです。最新の調査では取得率は0.9%程度にすぎません。
取得率が低い理由として、男性上司への申請がしにくい、周囲に取得者がいないため相談しづらい、休んで迷惑をかけたくないといった心理的・制度的な要因が挙げられています。
※参考:「働く女性と生理休暇について」(厚生労働省)
生理痛で仕事に支障が出るときにできる対処法
生理痛が重い日は、いつも通りに働くのもつらく感じてしまうものですよね。
ここでは、痛みを少しでもやわらげるためにできる工夫や、職場での過ごし方のポイントを紹介します。無理をせず、自分の体をいたわりながら乗り切りましょう。
①低用量ピルの服用
仕事に支障が出るほど生理痛やPMSがつらい場合、低用量ピルの服用も効果的な対処法のひとつです。低用量ピルには2種類の女性ホルモンが配合されており、服用することで体内のホルモンバランスを整え、生理痛やPMSの軽減に効果が期待できます。
また、服用に際しては、必ず副作用や持病の有無を確認しながら使用することが重要です。ピルには様々な種類があるため、医師に相談してご自身の体の状態や症状に合ったものを一緒に見つけてもらいましょう。
②鎮痛薬の服用
生理痛がつらいときは、市販の痛み止め(鎮痛薬)を服用するのもおすすめです。特に「NSAID(エヌセイド)系」と呼ばれる薬は、痛みをやわらげる効果が高く、比較的早く効きやすいのが特徴です。
また、痛みを我慢してしまったり、鎮痛薬を飲むタイミングに迷ったりする場合もありますが、「少し痛くなってきたな」と感じたタイミングで早めに服用しましょう。これは、生理痛の原因物質が増えすぎる前に飲むことで、痛みを軽くできるためです。
薬を飲んでも効果を感じにくい場合は、何らかの婦人科疾患が隠れている可能性もあるため、無理をせず、婦人科を受診しましょう。
③漢方薬の服用
生理痛の緩和には、体質改善を目的とした漢方薬の服用も有効な対処法のひとつです。
漢方薬は、血の巡りを良くしたり、不足している血を補ったりすることで、比較的穏やかに体調を整える効果があります。
生理痛におすすめな漢方の例
ただし、漢方薬は体質や体調に合ったものを選ぶ必要があるため、薬剤師や医師と相談して自身に合ったものを見つけましょう。
④無理せずに休む
生理痛がひどく、仕事に集中できないときは、決して無理せず体を休ませることが最も大切です。
法律では生理休暇が認められていても、実際は職場の雰囲気を気にして、なかなか言い出せないという人も多いでしょう。
しかし、痛みを我慢して頑張り続けるよりも、少しでも体を休めてあげることが、これからのあなたの健康にもつながります。しんどいのは、あなたの体が頑張っている証拠です。無理をせず、自身のことをいちばんに大切にしてあげてくださいね。
婦人科に相談する
生理痛がつらいとき、セルフケアや市販薬で対処するだけでなく、早めに婦人科を受診することも大切です。
痛みを我慢し続けると、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気の発見が遅れてしまうこともあります。また、将来的に妊娠や出産を考えている場合は、医師による定期的なチェックが欠かせません。
婦人科では、痛みの原因を丁寧に調べたうえで、体質や症状に合わせた治療法を提案してもらえます。つらいときは、ひとりで抱え込まずに相談してみてくださいね。
生理で仕事がしんどいときによくある疑問
生理中でも仕事を休めない、集中できない、そんなときにどうすればいいのか悩む人も多いでしょう。
ここでは、仕事中の生理痛や体調不良に関するよくある疑問をまとめ、少しでもラクに過ごすためのヒントを紹介します。
周りの視線が気になって生理休暇を利用できないときはどうしたらいい?
生理休暇は法律で認められた大切な権利ですが、実際には「罪悪感がある」「休みたいけど言い方がわからない…」と感じる人も少なくありません。
そんなときは、まず有給休暇や時間単位の休暇制度を活用して、「体調不良」として休むことから考えてみましょう。
また、つらい症状を根本からやわらげるために、婦人科で相談してみることも大切です。低用量ピルや漢方薬など、自分の体に合った治療法を見つけることで、生理中の不調が軽くなり、仕事や日常生活をもっと快適に過ごせるようになるかもしれません。無理をせず、自分の体をいちばんにいたわってあげてくださいね。
生理痛がしんどいことを踏まえて職業や進路を考えるべき?
生理痛が原因で進路を諦める必要はありません。早いうちに自分に合った治療法を見つけることで、体調に振り回されずに好きな仕事や夢を目指せる可能性も広がります。
まずは婦人科で相談し、低用量ピルや漢方薬、ホルモン療法などで痛みをコントロールしていきましょう。そのうえで、フレックスタイム制やリモートワークなど柔軟な働き方ができる職場を選ぶのもひとつの方法です。
生理で仕事中に眠いときはどうしたらいい?
生理中の強い眠気は、ホルモンバランスの変化(特に黄体ホルモンの影響)によるものが多いといわれています。どうしても眠気が強いときは、無理に集中しようとせず、休憩時間に短い仮眠をとる・ストレッチをする・外の空気を吸うなど、体を軽く動かしてリフレッシュしてみましょう。
ひとつの対策として、低用量ピルでホルモンの変動を整えることも有効です。早めに婦人科で相談し、自分に合った方法で体調を整えていけば、仕事にも集中しやすくなり、日々をより快適に過ごせるようになるでしょう。
まとめ
生理痛やPMSによって仕事に支障が出ている女性は多く、約6割が影響を感じています。そのなかで、有給休暇や自己対処を選ぶ人はいても、「生理休暇」の取得はわずか数%にとどまっており、制度と現実のギャップが課題です。生理痛を「我慢するのが当たり前」と感じている人も少なくないのではないでしょうか?
しかし、毎月のつらさを「仕方ない」と諦める必要はありません。鎮痛薬や低用量ピル、漢方薬など、今は症状を根本から整え、生活の質(QOL)を高めるための方法がたくさんあります。つらいときは、無理をせず立ち止まって、自分の体をいたわってあげてくださいね。
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