生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理痛薬が効かない?考えられる原因と対処法、病院に行くべき目安を解説!
生理痛の感じ方や痛みの強さは、人によってさまざまです。まったく痛みを感じない人もいれば、生理痛の薬を飲んでも効かず、仕事や家事が手につかないほどつらい思いをしている人もいますよね。
「いつもの鎮痛薬がなぜか効かない」「飲んでも痛みが続く…」そんな経験はありませんか?
薬が効かない理由には、服用のタイミングや体質、ホルモンバランスの変化、さらには病気が関係しているかもしれません。
生理痛の薬が効かないときに考えられる原因と対処法、服用する際の注意点や病院を受診する目安について詳しく解説します。生理中のつらい痛みを「仕方ない」と我慢せず、自分の体と向き合うきっかけにしてみてくださいね。
もくじ
生理痛に鎮痛薬が作用する仕組みとは?
生理痛は、子宮内膜が剥がれる際に分泌される「プロスタグランジン」という物質が原因です。この物質は経血を外に押し出すために子宮を収縮させますが、分泌量が多すぎると子宮が過剰に収縮し、下腹部や腰の痛みを引き起こします。
鎮痛薬には主に2種類あり、「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」はプロスタグランジンの生成を抑えて痛みの根本に作用します。
一方、「アセトアミノフェン」は痛みの信号が脳へ伝わるのを抑えて和らげるタイプで、胃腸への負担が少ないのが特徴です。体質や痛みの程度に合わせて、無理のない方法で上手に活用しましょう。
生理痛の薬が効かない場合に考えられる5つの原因
生理痛を感じた時、一時的に薬に頼る人も多いのではないでしょうか。薬を正しく服用しても痛みが改善されない場合、服用のタイミングや薬の成分が合っていないなど、何らかの原因がある可能性があります。ここでは、生理痛の薬が効かない代表的な5つの原因について説明します。
薬を服用するタイミングが遅い
一般的な鎮痛剤は、服用してから効果が実感できるまで約20~30分かかります。痛みを我慢してから薬を服用すると、プラスタグランジンが生成された状態のため、効果が表れるまでに時間がかかってしまい、効果が無いように感じてしまいます。痛みを感じ始めた時点で前もって服用することが大切です。
薬の効果を弱める飲食物を摂っている
薬と食べ物の飲み合わせによっては、薬の効果が弱まることがあります。生理痛の薬に含まれる成分の一つ「アセトアミノフェン」は、炭水化物や糖分と結びつきやすく吸収が遅れることがあります。ケーキなどの糖分を多く含む甘い食べ物、パンなどの炭水化物を多く含む食べ物は薬の効き目が弱まってしまうため、一緒に食べるのは避けたほうが良いでしょう。
また、飲み物によっては薬の吸収や作用に影響を与えるものがあるため、コップ一杯のお水かぬるま湯で飲みましょう。
ストレスや血行不良で痛みが増強している
精神的なストレスが多いと、女性ホルモンや自律神経のバランスを崩し、生理痛が強く表れやすくなることがあります。また、ストレスは体温調節機能なども低下させるため、体が冷えて血行不良に陥ることもあります。血液の循環が悪くなると、痛みの原因となるプロスタグランジンが骨盤内で溜まりやすく、痛みを強く感じやすくなります。生理痛を悪化させないためにも、なるべくストレスを溜めないように心がけ、冷え性の人は体をよく温めてあげましょう。
子宮内膜症などの病気が隠れている
生理のたびに鎮痛薬を飲んでも痛みが和らがない場合は、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの婦人科疾患が隠れている可能性があります。これらの病気は、子宮の内膜や筋肉の状態に異常が起こることで強い痛みを引き起こし、薬の効果を上回ってしまうことがあります。
「以前よりも痛みが強くなってきた」「薬を飲んでも効きにくくなった」と感じるようなら要注意です。こうした疾患を放置すると、将来的に不妊や妊娠のトラブルにつながることもあります。
生理痛がつらくて仕事や家事に支障が出る場合は、自己判断で我慢せず、一度婦人科で検査を受けましょう。
薬の成分が体質に合っていない
生理痛のつらさを和らげる鎮痛薬には、イブプロフェン・ロキソプロフェン・アセトアミノフェンなど、いくつかの有効成分があります。どの成分が合うかは人によって異なり、「友人にはよく効いた薬なのに、自分には効かない…」というケースも少なくありません。
これは、痛みの感じ方や体内での薬の代謝の仕方、胃腸の強さなどが人それぞれ違うためです。たとえば、アセトアミノフェンでは効果を感じにくい人が、NSAIDs(イブプロフェンやロキソプロフェンなど)に変えることで改善することもあります。
もし今使っている薬で効果が弱いと感じるなら、薬剤師や医師に相談して成分を見直すのがおすすめです。自分の体質や症状に合った鎮痛薬を選ぶことで、生理期間をより快適に過ごせるようになるでしょう。
生理痛の薬を服用するときの5つの注意点
服用のタイミングや飲み合わせ、薬の種類などを誤ると、効果が十分に得られなかったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。ここでは、生理痛の薬を最大限に活かすための注意点を見ていきましょう。
痛みが強くなる前の服用を心がける
生理痛を和らげるためには、「痛みが強くなる前」に鎮痛薬を服用することが大切です。鎮痛薬(特にNSAIDs)は、痛みの原因であるプロスタグランジンの働きを抑えることで効果を発揮します。
しかし、すでにプロスタグランジンが多く分泌され、強い痛みが出てから飲んでも、十分な効果を得にくいことがあります。「まだ大丈夫」と我慢しているうちに痛みがピークを迎えると、薬が効き始めるまで時間がかかってしまい、つらい時間が長引いてしまうことも。
生理が始まりそうなタイミングや、軽い違和感を感じた段階で服用するのがおすすめです。
空腹時を避けて胃への負担を軽減する
鎮痛薬を飲むときは、空腹時の服用を避けましょう。NSAIDs(イブプロフェン・ロキソプロフェンなど)は、痛みを和らげる一方で胃や腸の粘膜を刺激しやすい特徴があります。食事をとらずに服用すると、胃もたれや吐き気、胃痛といった胃腸トラブルを起こすこともあります。
薬を飲む前には軽くでも何か食べる、または牛乳などを飲んでおくと、胃への負担をやわらげられます。どうしても食事ができない場合は、胃に優しいタイプの鎮痛薬(アセトアミノフェン配合など)に切り替えるのも一つの方法です。服用時は、パッケージや添付文書にある「飲み方・タイミング」を必ず確認し、正しく使うようにしましょう。
水かぬるま湯で服用する
薬を飲むときは、必ず水かぬるま湯で服用するようにしましょう。お茶やジュース、コーヒー、牛乳などで飲むと、飲み物に含まれる成分が薬の吸収を妨げたり、思わぬ副作用を招いたりすることがあります。
また、冷たい水では胃腸への刺激が強くなる場合もあるため、常温またはぬるま湯でゆっくり飲むのがおすすめです。正しい方法で服用することで、薬の効果をしっかり引き出し、体への負担も減らすことができます。
定められた用法・用量を遵守する
鎮痛薬は、用法・用量を守って正しく服用することが大切です。多くの薬は4~6時間おきに服用することを基本としており、この間隔を短くしたり、量を勝手に増やしたりすると、副作用のリスクが高まります。
痛みがなかなか治まらないと焦って追加で飲みたくなることもありますが、まずは用法・用量を守ったうえで様子を見ましょう。それでも痛みが強く続く場合は、自己判断で増量せず、医師や薬剤師に相談することが大切です。
年齢やアレルギーの有無を確認する
鎮痛薬を服用する際は、まず自分の年齢や体質に合っているかを確認しましょう。ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDsは15歳未満は服用できません。一方、アセトアミノフェンは15歳未満でも服用可能ですが、用法・用量を必ず守って服用しましょう。
また、薬に対するアレルギーがある場合や、持病、現在服用中の薬がある場合は、自己判断で服用せずに医師や薬剤師に相談してください。
生理痛の薬が効かないときの対処法【セルフケア編】
薬の効果がなかなか感じられないときは、体の冷えや筋肉のこわばりなどが関係していることもあります。薬に頼るだけでなく、日常のちょっとした工夫やセルフケアを取り入れることで、生理痛のつらさをやわらげることができる場合もあるので、できることから取り入れてみましょう。
湯たんぽやカイロで体を温める
生理痛の敵の一つに、「冷え」が挙げられます。下腹部や腰、仙骨(お尻の割れ目の上部)周辺を重点的に温めると、血流が良くなり痛みの原因物質が滞りにくくなります。
また、湯船にゆっくり浸かるのが理想ですが、経血量が多い日や忙しい日には難しいこともありますよね。そんなときは、湯たんぽや使い捨てカイロ、腹巻きを使ったり、温かい飲み物やひざかけで体を守るだけでも大丈夫です。無理せず、自分のできる範囲で体を温めてあげましょう。
ツボ押しやマッサージで血行を促す
お腹まわりのマッサージは、子宮周辺の筋肉の凝りをほぐし、血行を促進する効果が期待できます。
特に、おへそ周りにある重要なツボを優しく刺激して血行を促すのがおすすめです。
- ・帰来(きらい)のツボ:おへそから指5本分下、左右に指2本分
- ・気海(きかい)のツボ:おへそから指2本分下
- ・関元(かんげん)のツボ:おへそから指4本分下
また、手足のツボも全身の凝りをほぐすのに役立ちます。足首の内側にある三陰交(さんいんこう)や、手の甲の合谷(ごうこく)といったツボを、優しく刺激しましょう。押す時や温める時は、「気持ちいい」と感じる程度の強さに留めてくださいね。
締め付けの少ない服装で過ごす
生理痛がつらいときは、ウエストや下腹部をきつく締め付ける服装は避けましょう。タイトな服や矯正下着、きつめのベルトは血行を悪くして痛みを強めることがあります。
生理中はむくみやすく、体がいつもより敏感になっています。ゆったりした服や腹巻きなど、体を締め付けない装いを意識することで、血流が良くなり、痛みの軽減にもつながるため、無理なく快適に過ごせる服装選びを心掛けましょう。
ウォーキングなど軽い運動を試す
生理中は、無理のない範囲で体を軽く動かすと血行が良くなり、痛みがやわらぐことがあります。ウォーキングやストレッチ、ピラティスやヨガなど、少し体をほぐす程度でも子宮周りの筋肉の緊張をやわらげる効果があります。無理せず、できる範囲で軽い運動を取り入れてみましょう。
生理痛の薬が効かないときの対処法【医療・医薬品編】
生理痛が強くて市販の鎮痛薬でもなかなか楽にならないときは、無理せず医療の力を頼ることも大切です。ここでは、生理痛がつらいときに考えられる医療・医薬品での対処法をわかりやすく紹介します。
作用の異なる市販薬に変更する
市販の鎮痛薬にはいくつかの種類があり、主成分や作用の仕組みもそれぞれ異なります。
たとえば、痛みの原因物質(プロスタグランジン)の発生を抑えるタイプと、脳の痛みの感じ方に働きかけるタイプでは、効き方が変わることがあります。
もし今使っている薬で痛みが和らがない場合は、作用の異なる市販薬に切り替えてみるのも一つの方法です。
また、胃への負担を抑える成分を配合した製品や、生理痛専用の薬もあります。自身の体質や症状に合った薬を選ぶことで、少しでも安心して生理期間を過ごせるようになりますよ。迷ったときは、遠慮せずに薬剤師や医師に相談してみましょう。
低用量ピルでホルモンバランスを整える
鎮痛薬だけでは十分に痛みが取れない場合、低用量ピルでホルモンのバランスを整える方法もあります。低用量ピルには、女性ホルモンの変動を穏やかにして排卵を抑え、子宮内膜が厚くなりすぎないようにする作用があります。その結果、経血量が減り、痛みの原因となるプロスタグランジンの分泌も少なくなるため、生理痛の軽減が期待できます。
また、生理周期が安定することで心身の負担も軽減されるでしょう。ピルの種類や体への合い方には個人差があるため、服用を検討する際は必ず婦人科で医師に相談し、あなたに合った方法を一緒に見つけましょう。
生理痛はピルで改善できるって本当?ピルの効果を最大化するコツを紹介
漢方薬で体質改善を目指す
生理痛を根本から改善したいなら、漢方薬での体質改善もおすすめです。漢方は痛みを一時的に抑えるのではなく、冷えやホルモンバランスの乱れなど、痛みの原因となる体の不調を整えることを目的としています。
また、漢方には、人の体は「気」「血」「水」の3つの要素で構成されているという概念があり、生理痛は、この「血」の巡りが滞ることで症状が悪化すると考えられています。そのため、血の巡りを良くすることで、生理痛に加えてさまざまな不調の改善に効果的です。
生理痛におすすめの漢方薬には下記の種類があります。病院や漢方の販売店で相談し、自分の体質に合ったものを選択してくださいね。
| 体力・体質 | 漢方薬名(読み方) | 特徴・適したタイプ |
| 体力中程度以上 | 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) |
のぼせ・便秘・生理痛 気滞・瘀血体質に |
| 体力中程度以下 | 加味逍遥散(かみしょうようさん) 温経湯(うんけいとう) |
ストレス・冷え・生理不順 更年期・PMSにも |
| 体力虚弱 | 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 冷え・むくみ・疲れやすい 体力の少ない女性に |
また、40代以降の人や、喫煙・肥満などのリスク要因がある人は、低用量ピルの処方が難しくなる場合があります。そのため、ピルの代替として漢方薬を取り入れ、体質改善を目指す方法もおすすめです。
薬が効かないのは病気のサイン?婦人科を受診する目安
「鎮痛薬を飲んでも痛みが和らがず寝れない」「年々生理痛がひどくなっている」など、生理にともなう症状で仕事や学校など、日常生活に支障をきたす場合は、「月経困難症」や「子宮内膜症」など、婦人科系の病気が隠れていることもあります。
| レベル | 痛みの状態 | 日常生活への影響 | 受診の目安 |
| 低度 | 下腹部の鈍い痛み | 通常通り過ごせる (痛み止め不要) |
様子見でOK 体を温める・休息・生活習慣の見直しが効果的 |
| 中程度 | 強い痛みがあり 横になりたい |
学校・仕事に支障あり (痛み止め使用) |
何度も繰り返す場合は婦人科を受診 治療で改善する可能性が高い |
| 高度 | 立っていられない 動けない |
学校・仕事を休むレベル | 早めの受診が必要 婦人科疾患が潜んでいる可能性あり |
特に、以下のような症状がある場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
生理痛を「毎月のことだから」と我慢してしまう人も多いですが、あなたの痛みにはちゃんと理由があります。適切なケアを続けることで、今よりずっと快適に過ごせるようになるはずです。
少しずつ、自分の体を大切にする時間を増やしていきましょうね。
まとめ
毎月訪れる生理のたび、痛みがつらいと気持ちもブルーになりやすいですよね。生理痛が強いことや、薬が効かないことは当然と我慢せず、今回ご紹介した薬の服用方法や、自分なりのセルフケアを取り入れてみてくださいね。毎月鎮痛剤を飲むほど症状が重い人は、低用量ピルが有効な場合もあります。婦人科やオンライン診療を利用して、医師に相談してみましょう。
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