生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
ピルをやめるタイミングは?身体に起こる変化と注意点について
「ピルを飲んでいるけれど、そろそろやめたいかも…」「急に飲むのをやめても大丈夫かな?」と不安に感じていませんか?
低用量ピルは、生理のつらさを和らげたり、避妊をサポートしてくれる心強い味方ですが、自己判断でやめたり、何度も中断と再開を繰り返すと、体に思わぬリスクが生じるため注意が必要です。
ピルをやめるタイミングや、ほかの薬を飲む必要がある場合の対処法、さらに将来の妊娠への影響や副作用がつらい場合の選択肢までわかりやすく解説します。
「一度やめたら再開はできる?」「やめたあと、妊娠に影響はある?」という疑問にもお答えしているので、参考にしてあなたの体に合った安心して選べるタイミングを見つけましょう。
もくじ
ピルをやめる適切なタイミング
ピルは女性ホルモンが含まれるお薬で、ホルモンバランスに大きな影響を与えているため、自己判断で勝手にやめることは控えて、ピルをやめる際には、医師に相談した上でやめるようにしましょう。また、以下ではピルをやめるパターン別に解説していきます。
妊娠を希望するとき
ピルは経口避妊薬であるため、妊娠を希望する場合には服用を中止する必要があります。月経困難症の治療など、ピルを避妊目的以外で服用していた場合でも、妊娠を希望するタイミングで服用を中止しましょう。ピルを飲んでいたことによって通常よりも妊娠しづらくなるといったことはなく、服用を中止すれば自然に生理や排卵が起こるようになります。妊娠を検討し始めたら、ピルを処方してもらっている病院で服用を停止するタイミングについて相談しましょう。また、服用を止めてから排卵が確認できるようになるまで3か月程度かかるといわれているので、計画的にやめるタイミングを決める必要があります。
婦人科系の病気の治療目的でこれからピルを飲み始めるという場合も、将来的に妊娠を希望しているのであればその旨をあらかじめ医師に相談しておくと安心です。
副作用が強いとき
ピルの副作用が強く飲み続けるのが難しい場合も、服用を中止して問題ありません。しかし、ただの副作用だと思っていた症状が実は重大な病気の兆候だったという可能性もあるため、気になる症状があれば、自己判断で服用継続はせずまずは医師に相談しましょう。
吐き気や頭痛などの副作用が辛く、日常生活に影響が出ているなどの場合は速やかに服用を停止し、ピルをやめることも視野に入れ、医師に相談するようにしてください。
なお、ピルを飲み始めたばかりの頃はホルモンバランスが安定せず副作用が起きやすい時期です。まだ、服用開始直後なのであれば、3か月ほど飲み続けて様子を見るようにしましょう。これからピルの服用を検討している方で副作用が気になる場合には処方時に副作用緩和薬を希望しておくと安心です。
ピル服用が難しい年齢になったとき
年齢が上がるにつれて、ピル服用による体への影響は大きくなります。40代になると、心筋梗塞などの心血管系疾患も関係してくるようになるため、服用の継続には注意が必要です。
また、1日に15本以上喫煙する方は35歳になったタイミングでピルの服用ができなくなります。非喫煙者の場合は、肥満(BMI30以上)・高血圧・脂質異常・糖尿病などに該当しないのであれば40〜50歳頃の閉経まで服用ができますが、もしこれらに該当する場合は、健康状態によって40歳になった時点で服用の可否を慎重に判断する必要があります。定期的に病院を受診し、健康状態に変化があった場合に服用を継続して問題ないか医師へ相談しましょう。
血栓症の疑いがある症状が出たとき
ピルには、副作用として血栓症のリスク増加があります。これは、ピルに含まれるエストロゲンという卵胞ホルモンに血液凝固作用があるためです。ピルを飲んでいて血栓症になる割合は、1万人に3〜9人とされています。血栓症を発症すると、最悪の場合死亡することもあります。血栓症が疑われる症状には、以下のようなものがあります。
・胸の痛み、呼吸苦、動悸
・激しい腹痛や頭痛
・片方の手足の痺れやむくみ
・意識障害や舌のもつれ
これらの症状が見られた場合、血栓症になっている可能性が高いため、ピルの服用を中止してすぐ医師に相談するようにしてください。
飲んでいるシートの服用が終了したとき
ピルは1シート28日分で、全て飲むことにより1か月のホルモンバランスをコントロールできるように作られています。22〜28日目の休薬期間に入って2日ほど経つと、消退出血という少量の出血が起きます。そのため、現在のシートを最後まで飲み切ったタイミングでピルをやめた方が、次回の出血時期がわかり周期も乱れなくて済みます。
ただし、シートの途中でやめた場合でも大きな問題はありません。先に説明した血栓症の症状が見られたり、あまりに副作用がひどく我慢できなかったりする場合は、医師に相談した上で、シートの途中で服用を中止しても問題ありません。
病気になりほかの薬の服用が必要になったとき
ピルを服用中に、ほかの病気や症状で新たに薬を飲む必要が出た場合、ピルの服用を中止しなければならない場合があります。これは、低用量ピルの効果を弱めたり、副作用を強くしたりする薬があるためです。
特に注意が必要な薬の例
- 抗てんかん薬
- 抗結核薬
- 解熱鎮痛剤
- 抗真菌薬
- 抗うつ薬
また、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)の成分を含むサプリメントやお茶は、代謝を促進し、ピルの効果を弱めてしまう可能性があるため併用は控えましょう。ほかの薬の服用が必要になった場合は、必ず医師や薬剤師に「低用量ピルを飲んでいること」を伝えて飲み合わせを確認することが大切です。
妊娠したとき
低用量ピルは正しく服用することで99.7%という非常に高い避妊効果が期待できますが、残念ながら妊娠の可能性はゼロではありません。そのため、妊娠がわかったらすぐに服用を中止する必要があります。
ただし、妊娠初期に気づかずにピルを飲んでいたとしても、胎児に異常が見られたというデータはありませんので、過度に心配する必要はないでしょう。また、ピルだけでは性感染症は予防できませんので、より確率を上げるためにもコンドームなどほかの避妊方法と併用しましょう。
排卵や生理はいつから始まるの?
ピルの服用をやめた場合、妊孕力や胎児への影響について不安になりますよね。以下で、排卵や生理が再開するタイミングや胎児への影響について解説します。
排卵や生理再開のタイミング
ピルをやめると、まず数日以内に消退出血という少量の出血が起こります。そこから数か月経つと元の生理周期に戻り、通常の生理がくるようになります。
個人差はありますが、多くの人はピルをやめてから3か月以内に排卵が再開します。妊娠を希望している方は、基礎体温を記録したり排卵日検査薬などを使用したりすることで、排卵日の予測がしやすくなります。
排卵が再開すればその後に自然と生理もくるようになり、ピルをやめてから半年以内には生理周期が安定するとされています。ただし、もともと生理不順改善のためにピルを飲んでいた方は、ピルをやめることによって再び生理不順の状態に戻ることがあります。もしピルの服用中止から3か月経っても生理が再開しない場合は、一度産婦人科に相談してみましょう。
ピルを服用しても胎児への影響はない
ピルの服用経験があって妊娠をした場合、「ピルが胎児に影響を与えるのではないか?」と心配になるかもしれません。これまで長期間ピルを飲んでいたからといって、胎児に影響が出ることはないのでご安心ください。また、ピル服用中に妊娠してしまった場合や、ピルをやめてからすぐに妊娠した場合でも特に問題はありません。とはいえピルは本来、経口避妊薬として処方されているものなので、妊娠がわかった時点で服用を中止するようにしましょう。なお、出産後にピルを再開したい場合は、母体の健康状態や授乳期間によって異なるため、医師に相談して、ピル服用の許可を得るようにしましょう。
ピルをやめるときの注意点
ピルをやめることによって、いくつかのデメリットが生じる場合があります。以下で、ピルをやめるときの注意点について4つ紹介します。
中断と再開を繰り返すと血栓症のリスクが高まる
低用量ピルは、服用の中断と再開を繰り返すと、血栓症のリスクが高まってしまうため注意が必要です。血栓症とは、血管が血の塊(血栓)によって突然詰まってしまう病気で、深部静脈血栓症や命にかかわる肺塞栓症などに繋がる可能性があります。特に、ピルの服用開始から最初の3か月以内は、最も発症リスクが高い期間です。
そのため、服用を4週間以上中断してから再びピルを飲み始めると、体が慣れていない服用開始直後の状態に戻ってしまいます。ピルの服用と中止を繰り返すことは、こうしたリスクを自ら高める行為であることを認識しておきましょう。
ピルをやめるタイミングは自己判断せず必ず医師に相談する
ピルはの服用をやめる際は、自己判断はせず、将来的に再開する可能性があるかどうかも含めて、医師に相談しましょう。もし副作用がつらくて中断したいと感じているなら、それは今の薬との相性が悪いのかもしれません。医師に相談すれば、別の種類のピルに変えることで症状が和らぐこともあります。急に服用をやめると体調を崩す原因にもなるため、必ず専門家の指示を仰ぎましょう。
ピルにはさまざまな種類があることも知っておく
低用量ピルには、ホルモンの種類や配合量、休薬期間の長さが異なるさまざまな種類があります。現在飲んでいるピルが体に合わなくても、別の種類のピルに変更することで副作用が軽減され、服用を継続できる可能性もあるでしょう。
また、ピルの費用を負担に感じている方も、お財布に優しいジェネリック医薬品がないか、あるいは価格が抑えられたピルがないか医師に相談するのがおすすめです。
副作用はしばらくすると自然に解消されることが多い
低用量ピルを飲み始めた頃は、吐き気や頭痛、不正出血など、さまざまな副作用が出ることがあります。しかし、こうした副作用は体が薬に慣れることで自然に解消されることが多いので、過度に心配しなくても良いでしょう。
もし副作用がつらくて服用をやめたいと考えているなら、すぐに中断するのではなく、まずは少し様子を見てみるか、医師に相談してみてくださいね。
ピルをやめた後に身体に起こる変化
ピルの服用をやめた後、体は自然な排卵や生理のリズムを取り戻そうとします。「ピルをやめたら、すぐに妊娠できるかな?」「体に何か影響はない?」と不安に思う方もいるでしょう。ここでは、排卵や生理が再開するタイミングなど、ピルをやめた後に身体に起こる変化について解説します。
排卵や生理が再開する
ピルをやめると、まず数日以内に消退出血という少量の出血が起こり、そこから数か月経つと元の生理周期に戻って通常の生理がくるようになります。
個人差はありますが、多くの人はピルをやめてから3か月以内に排卵が再開します。妊娠を希望している方は、基礎体温を記録したり排卵検査薬などを使用したりすることで、排卵日の予測がしやすくなるでしょう。排卵が再開すればその後に自然と生理もくるようになり、ピルをやめてから半年以内には生理周期が安定するとされています。
ただし、もともと生理不順改善のためにピルを飲んでいた方は、ピルをやめることによって再び生理不順の状態に戻ることがあります。ピルの服用中止から3か月経っても生理が再開しない場合は、一度産婦人科に相談してみましょう。
ニキビができることがある
ピルには2種類の女性ホルモンが含まれており、ピルを服用している間はホルモンバランスが安定し、ニキビができにくくなります。しかし、ピルの服用をやめると、一時的にホルモンバランスが変化するため、ニキビができることがあります。
しばらくすると、またホルモンバランスが安定するため、これらのニキビは改善することがほとんどです。ピルをやめてから数か月経ってもなかなかニキビが改善しない場合は、一度皮膚科を受診してみましょう。
抜け毛が増えることがある
ピルの服用をやめると、エストロゲンという女性ホルモンが急激に減少するため、出産後に起きる抜け毛と同じような症状が見られる場合があります。
しかし、抜け毛についてもピルをやめたことによる一時的な症状であることが多く、しばらく経つと改善されることがほとんどです。もし、いつまでも症状が改善しない場合は、ピル以外の原因がある可能性もあるため、皮膚科や抜け毛専門のクリニックを受診してみましょう。
体調が変化する(ピル服用前の症状が現れる)
ピルを服用する理由は人によりさまざまですが、辛いPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、生理痛や生理不順などを改善したいと考えて服用している方も多いでしょう。ピルの服用によってこれらの症状が改善するのは、ピルに含まれる2種類の女性ホルモンが体内のホルモンバランスを安定させてくれているためです。
ピルの服用をやめた場合、それまでのようにホルモンバランスを安定させることができなくなるため、PMSや重い生理痛などの症状が元通りになってしまう可能性があります。また、肌荒れやニキビなどの月経随伴症状も同じように再発することがあります。
体重が変化することが多い
低用量ピルを服用すると、食欲が増したり、水分が体内に留まりやすくなったりすることで、体重が増え、太ったと感じることがあります。
しかし、低用量ピルの服用をやめるからといって、必ず痩せるわけではありません。単に体重が気になるだけで服用をやめるのは、避妊効果や生理の安定といったピルの大きなメリットを失うことになるため、慎重に考えましょう。
体重の変化が気になる場合は、塩分の摂取を控える、体を冷やさない、定期的に運動するといった工夫で軽減できることがあります。また、低用量ピルの種類を変えることで副作用の出方が変わる場合もあるので、つらいときは我慢せずに医師に相談してくださいね。
ピルと将来の妊娠への影響
ピルを続けていると、「将来、妊娠に影響はないのかな?」と心配になる方もいるでしょう。ピルは一時的に排卵を止めているだけで、服用をやめれば体の機能は少しずつ自然な状態に戻っていきます。ここでは、ピルと将来の妊娠との関係について見ていきましょう。
ピルを服用しても胎児への影響はない
ピルの服用経験があって妊娠をした場合、「ピルが胎児に影響を与えるのではないか?」と心配になるかもしれません。これまで長期間ピルを飲んでいたからといって、胎児に影響が出ることはないのでご安心ください。
また、ピル服用中に妊娠してしまった場合や、ピルをやめてからすぐに妊娠した場合でも特に問題はありません。とはいえピルは本来、避妊を目的とした薬として処方されているものなので、妊活を始める際や「妊娠したかもしれない」と少しでも感じた場合は、病院に相談して服用を中止するようにしましょう。
なお、出産後にピルを再開したい場合は、母体の健康状態や出産からの期間、授乳の有無によって異なるため、医師に相談して、ピル服用の許可を得るようにしましょう。
長期間飲み続けても将来の妊娠確率は変わらない
「ずっと飲んでいて、将来ちゃんと妊娠できるのかな…」と不安に感じる方も少なくありません。ですが、低用量ピルを続けていても、将来の妊娠しやすさ(妊孕性)が低下するという報告はなく、心配しすぎる必要はありません。
ピルは排卵を一時的にお休みさせているだけで、妊娠する力そのものを奪うものではありません。実際に、服用をやめたあと1年以内に約80%の方が妊娠したというデータがあり、この割合はピルを飲んでいなかった女性とほぼ同じとされています。
そのため、「今はまだ妊娠の予定がないけれど、生理トラブルを軽くしたい」「避妊と体調管理を両立したい」など、安心して飲み続けることができます。自分の体と気持ちに合わせて、無理なく続けていきましょう。
まとめ
この記事では、ピルをやめるタイミングや、やめたあとの体の変化についてお伝えしてきました。
ピルは、一度やめてまた再開するときに血栓のリスクが高くなることがあるため、医師と相談しながら安心できる形で続ける方法や、やめるタイミングを選んでいくことが大切です。
ライフステージによって、必要なサポートや身体との向き合い方は少しずつ変わっていきます。「このまま飲み続けていいのかな?」「そろそろやめるべき?」などと気になったときは、それだけ体の変化に意識を向けられている証拠です。一人で悩まず、まずは医師に相談してみましょう。どんな選択であっても「自分の体を大事にしよう」という気持ちがいちばん大切です。無理のないペースで、あなた自身をやさしくいたわっていきましょうね。
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