低用量ピル服用中の下痢・嘔吐の原因は?続く場合の対処法や効果への影響を解説

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更新日:2025.11.05
低用量ピル服用中の下痢・嘔吐の原因は?続く場合の対処法や効果への影響を解説

低用量ピルを飲み始めてから、「なんだかお腹の調子が悪い」「吐き気がしてつらい…」と悩んでいませんか?体を整えるために服用を始めたのに、思わぬ不調があると不安になりますよね。
実は、ピルを飲み始めて間もない時期には、ホルモンの変化に体が慣れるまでの間に下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。多くの場合は一時的なもので、しばらくすると自然に落ち着いていくことがほとんどです。

ピルを服用しているときに下痢や嘔吐が起きる原因や対処法、下痢止めを一緒に服用しても大丈夫かなど、少しでも安心して服用を続けられるよう、順を追ってわかりやすく解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

低用量ピルの服用が原因で下痢・嘔吐が起こる?

低用量ピルの服用を始めてから、下痢や嘔吐などの副作用に悩んでいませんか?ピルは生理痛緩和や生理前の精神的不調の改善といったさまざまなメリットがありますが、飲み始めはこうした不調が起こることもあります。
下痢や嘔吐も副作用のひとつですが、一般的に使われるマーベロンやラベルフィーユなどのピルでは、下痢が発生する確率は0.1%~5%未満だとされており、これらの副作用は服用し始めに多く、通常は3ヶ月以内に収まることがほとんどです。

※参考:「デソゲストレル・エチニルエストラジオール錠 マーベロン21/マーベロン28」(JAPIC)
※参考:「ラベルフィーユ21錠/ラベルフィーユ28錠」(医薬品医療機器情報提供ホームページ)

下痢・嘔吐以外の起こりやすい副作用

下痢・嘔吐以外にピルの飲み始めに起こりやすい副作用として、吐き気、乳房の張り、頭痛、下腹部痛、むくみ、食欲不振、眠気、不正出血などが挙げられます。

低用量ピルの服用によってホルモンバランスが変化し、このような副作用が起きるといわれています。特に飲み始めの1〜3ヶ月は副作用が出やすい時期です。低用量ピルにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が含まれていて、それらのホルモンの影響で吐き気が発生します。症状が軽い場合は1〜3ヶ月服用を続けていくと徐々に症状が治まることがほとんどです。その他の症状も、多くの場合は飲み始め2〜3ヶ月以降には落ち着くため、まずは体が慣れるまで約3ヶ月ほどを目安に服用を続けてみることが大切です。

ピルによって引き起こされる副作用についてより詳しく知りたいという方は、下記の記事を参考にしてください。

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低用量ピルの服用中に下痢・嘔吐をした場合の対処法

下痢や嘔吐をしたら、体内から大量の水分が排出されてしまっている状態になるので、まずはいつもよりしっかり水分をとるようにしましょう。また、ピル服用から何時間後に下痢や嘔吐の症状があったのかによって、必要な対処がありますので、下記で詳しく解説していきます。

ピル服用後3時間以内の下痢・嘔吐の場合

ピル服用後3時間以内に水っぽい下痢をした場合は、追加服用が必要です。下痢・嘔吐が起きた日の分に追加して、次の日の分の1錠を飲んでください。一方おなかが緩くなっていても、水っぽくはない軟便の場合は、追加での服用は必要ありません。

水っぽい下痢をしても追加服用しない場合は、ピルの効果が大きく下がります。避妊目的でピルを服用している場合は、しっかり避妊できていない可能性があります。避妊効果が下がったまま飲み続けると、予定外の妊娠に繋がるため、もし服用後3時間以内に水っぽい下痢をする場合は、追加服用とコンドームの併用を忘れないよう気をつけてくださいね。追加服用すれば良いのかわからず、自己判断が難しい場合は医師に相談するようにしましょう。

ピル服用後4時間経ってからの下痢・嘔吐の場合

ピルの服用後から4時間以上経っている場合は、下痢や嘔吐があっても問題ありません。ピルの成分が最高濃度に達するのが約2時間のため、3時間より時間が経っていれば、ピルの成分は体内に吸収されていると考えられます。服用から時間が経過していれば、深く心配しすぎる必要はありません。

ただし、3時間以上4時間未満に下痢や嘔吐が起こった場合は、念のためコンドームなどの別の避妊法も併用してください。ピルの成分の多くは約2時間で吸収されるため、3時間以上経ってから重度の下痢や嘔吐が起こった場合は、効果が下がっていることはないと考えられます。追加服用はしなくて大丈夫です。

不安な場合は連続服用7日目まで性交渉を避けましょう

ピルの服用後、下痢や嘔吐が起こってしまい避妊効果が不安な場合は、連続服用7日目まで性交渉を避けるか、コンドームなどの別の避妊法を併用しましょう。ピルの服用後、特に3時間以内に下痢や嘔吐があった場合は効果が下がってしまうため、十分な避妊効果が期待できません。症状が落ち着くまでは性交渉を控えるか、コンドームを使用して確実な避妊をおこなうようにしましょう。

低用量ピル服用中の下痢・嘔吐が長期間続く場合はどうしたらいい?

ピル服用中の下痢・嘔吐が24時間以上続く場合は、ピルの服用を中止してください。低用量ピルが下痢・嘔吐の原因になっている可能性があるため、症状を医師にしっかり相談して、今後の対応を考えましょう。副作用緩和薬(吐き気度目や整腸剤など)を処方してもらい、服用することも可能です。下痢・嘔吐以外の症状でも、ピルを飲み始めてから3か月以上副作用が軽減されない場合は、そのピルが体に合っていない可能性が考えられますので産婦人科へご相談ください。

低用量ピルと下痢止めは併用してもいい?

低用量ピルと下痢止めなどの薬は、基本的には一緒に飲んでも問題ありません。ただし、下痢の程度によっては注意が必要です。
軽い下痢(1回程度)であれば、そのままピルを続けても影響はほとんどないことが多いですが、下痢が続く場合は、ピルの成分が体にうまく吸収されず、避妊効果が弱まってしまう可能性があります。しかし、激しい下痢や嘔吐があった場合、薬が体に吸収される前に外に出てしまっているかもしれません。そのようなときは自己判断せず、医師に症状を相談し、必要があれば追加で服用できるか確認してみましょう。

低用量ピル服用中の下痢・嘔吐は我慢せずにご相談ください

低用量ピルの副作用で下痢・嘔吐の症状が現れお困りの方は少なくありません。しばらくピルの服用を継続しても下痢・嘔吐などの副作用が軽減されない場合は、ピルが身体に合っていない可能性があるため、低用量ピルの種類を変更することも検討してみてください。メデリピルでは、副作用緩和薬の処方も可能です。

まとめ

今回は、低用量ピルを服用中に起こる下痢や嘔吐の原因と対処法についてご紹介しました。
ピルは、3時間以内に副作用や胃腸炎などで下痢や嘔吐があると、成分が十分に吸収されず、避妊効果が十分に働かないことがあります。下痢や嘔吐が24時間以上続く場合は、一度ピルの服用を中止して、早めに医師に相談してください。症状に合わせて、整腸剤や吐き気止めなどのお薬を処方してもらえることもあります。

また、服用を始めてから3か月以上経っても副作用が続く場合は、体に合っていないサインかもしれません。無理に我慢せず、今後の対応について医師に相談してみてくださいね。自分の体をいたわりながら、安心して続けられる方法を一緒に考えていきましょう。

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監修者

産婦人科専門医、がん治療認定医、mederiドクター
mederiドクター
産婦人科専門医、がん治療認定医 女性のヘルスケアアドバイザー(女性医学会認定)、F U S E certificated personnel(米国内視鏡外科学会認定)、JOHBOC研修終了(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構) 大学病院に入局し高度周産期センター、婦人科腫瘍専門施設で研修・修練後、総合病院で良性疾患の腹腔鏡手術や、不妊治療、女性内分泌・更年期障害など幅広く女性診療を行う。米国への留学を経て、現在はmederiドクターとして、メデリピルのオンライン診療や体調相談を担当している現役産婦人科医。

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