ピルの休薬期間中、避妊なしだと妊娠する可能性はある?休薬期間とは何か解説

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更新日:2025.12.05
ピルの休薬期間中、避妊なしだと妊娠する可能性はある?休薬期間とは何か解説

低用量ピルには、服用をやめる「休薬期間」が設けられています。そもそも、この休薬期間はなぜあるのでしょうか?「休薬中に妊娠しないか不安」「休薬期間がしんどい…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
ピルに休薬期間がある理由や休薬しないほうがいいケース、さらに、多くの女性が抱える休薬期間中の疑問について、わかりやすく解説します。自分の体と向き合いながら、無理のない服用方法を一緒に見つけていきましょう。

一般的なピルの飲み方

低用量ピルには「21錠タイプ」と「28錠タイプ」の2種類があります。それぞれの飲み方を見てみましょう。

7日間休薬期間を設ける「21錠タイプ」

21錠タイプは、1つのシートに3週間(21錠)分がセットになって入っています。1日1錠を毎日飲んでいき、21日目に1シートを全部飲み終わったら、22日目から28日目までの7日間は服用を休みます。この期間を「休薬期間」とします。休薬期間には、通常の生理と同じような出血が起こり、これを「消退出血」といいます。7日間の休薬期間が終わったら、次の新しいシートをまた同じように飲んでいきます。休薬期間をきちんと7日間とって、忘れずに次のシートを飲み始めなければなりません。次のシートを飲み始めるのを忘れて休薬期間が7日を超えると、避妊効果が下がり妊娠する可能性があるため注意が必要です。

7日間偽薬を飲む「28錠タイプ」

28錠タイプは、1つのシートに4週間(28錠)分がセットになって入っています。シートの上から順番に1日1錠を飲んでいきます。28錠のうち最後の7錠は、プラセボと呼ばれる薬が入っています。プラセボとは薬効成分を含まない偽薬のことで、実際はこの7錠を飲んでいる7日間は休薬期間となります。しかし、何も飲まないでいると次のシートの飲み忘れを起こしてしまうため、28錠タイプでは7錠のプラセボがセットになっているのです。プラセボを飲んでいる7日間も、毎日同じ時間に1日1錠を飲み、1シートをすべて飲み終えたら次の新しいシートのピルを飲んでいきます。

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ピルを休薬しないで次のシートを飲んだらどうなる?

21錠タイプでも28錠タイプでも、必ず7日間の休薬期間が設けられています。しかし7日間の休薬期間を設けずに次のピルを飲み続けると、予期せぬ不正出血を起こす可能性があります。休薬期間の間には、生理(消退出血)の出血が起こりますが、これを避けたいからと休薬しないですぐに次のシートを飲むのはやめましょう。ピルの正しいサイクルに従って、1日1錠を必ず飲んで、休薬期間も正しく設けていくことが大切です。

ピルに休薬期間がある理由

ピルを飲むときに、休薬期間があるのはなぜでしょうか?ピルの服用を一時的に止めて休薬期間を設けると、生理が起きます。これは子宮内膜がはがれ落ちて血液とともに排出されるもので、生理と同じようなメカニズムです。休薬期間を設けることは、卵巣や子宮の働きをキープするためにとても大切なのです。

妊娠の有無の確認

ピルに休薬期間がある理由のひとつは、妊娠していないことを確認するためです。子宮の内側にある子宮内膜は妊娠に備えて厚くなっていきますが、妊娠が成立しないとはがれ落ちて、血液とともに体外に排出されます。これが生理のメカニズムです。つまり消退出血が起きたということは、妊娠していないというサインなのです。

低用量ピルは正しく服用することで99.7%と高い避妊効果が出ますが、0.3%は妊娠する可能性があります。そのため休薬期間に消退出血が起きなければ、妊娠を疑う必要があるでしょう。

※一般的なデータであり効果を保証するものではありません

卵巣の機能維持

休薬期間は、卵巣の機能を保つために大切な役割があります。ピルを飲んでいる間、卵巣は活動を休止することになります。しかし休薬期間でピルの服用を一時的に止めると、卵巣も子宮も本来の働きを再び始めるようになります。

ピルの休薬期間中、避妊なしだと妊娠する可能性はある?

低用量ピルの服用を一時的に止める休薬期間には、ピルを飲まないことで「避妊効果はあるの?」と不安に感じる方がいるかもしれません。しかし、ピルを正しく服用している限り、休薬期間中も避妊効果は持続しますので、安心してくださいね。

排卵は卵胞が育つとおきますが、ピルを正しく服用していれば、卵巣の活動が休止され、卵子を保護している卵胞は育っても排卵はしません。7日間の休薬期間に卵胞が急に育って排卵するようなこともありませんので、休薬期間にもきちんと避妊効果が持続します。7日間の休薬期間が終わったら、再び新しいシートのピルを飲み始めることで、避妊効果を維持することができます。

こんな時は注意

低用量ピルは、休薬期間が明けて新しいシートの服用開始が遅れると、排卵が起こるリスクが高まります。薬を8日間以上連続して飲んでいない期間があると、排卵を抑える効果が失われる可能性が高いからです。
特に新しいシートの1週目に飲み忘れが続くと、避妊効果が十分に得られない可能性があります。
コンドームは、普段から性感染症を防ぐために必ず使用すべきですが、もし2日分以上飲み忘れてしまった場合は、この期間は妊娠リスクも高いため特に注意をし、不安な性交渉があった場合はアフターピルの服用も検討してください。服用開始日をカレンダーやアプリで管理し、飲み忘れを防ぎましょう。

休薬期間に性交渉をして不安な場合

低用量ピルを正しく服用している限り、休薬期間中も避妊効果は継続しますが、万が一、休薬期間中に不安になる性交渉があった場合や、休薬期間明けの服用を忘れてしまった場合などは、アフターピル(緊急避妊薬)の服用を検討することもひとつの方法です

アフターピルの妊娠阻止率のイメージ

アフターピルは、服用までの時間が早いほど効果が高まります。気になることがあれば、まずは自己判断せずに医師に相談しましょう。

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ピルを休薬しないほうがいい場合もある

低用量ピルの服用には休薬期間を設けるのが一般的ですが、休薬しないほうがいい場合もあります。

月経困難症やPMSが改善しない場合

休薬期間を設ける内服方法で月経困難症やPMS症状のコントロールが難しい場合、休薬期間を設けない内服方法を医師と相談し、服用方法を変更することで改善することもあります

これは、休薬期間中にホルモンレベルが下がることで、症状が再発したり悪化したりするのを防ぐためです。連続投与が可能とされるヤーズフレックスなどの超低用量ピルへ変更することで、生理の回数を減らし、ホルモン変動を最小限に抑えることができます。
また、月経困難症は子宮内膜症の進行が関係している可能性もあるため、症状が改善しない場合は、ピルの種類変更だけでなく、根本的な病気の検査についても医師に相談してみましょう。

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生理をずらしたい場合

旅行などの予定があり、生理がくるタイミングをずらしたい場合は、休薬期間を設けずにピルを飲み続けることがあります。21錠タイプのピルなら、7日間の休薬期間をおかずに、すぐに新しいシートのピルを飲み始めます。28錠タイプなら、最後の7日間にあるプラセボを飲まずに、新しいシートのピルを飲み始めます。この方法で服用を続けていき、服用をやめたタイミングで生理がくるように調整します。

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第3週に飲み忘れた場合

低用量ピルは、1日1錠を決まった時間に飲み続ける必要があります。しかし、飲み忘れが起こることもあるでしょう。それが3日以上にわたり、しかも3週目に飲み忘れた場合は、休薬期間を設けません。現在のシートの実薬を飲み終えたら、すぐ新しいシートに移って飲み続けましょう。1週目や2週目に飲み忘れた場合とは、対処法が異なりますので注意しましょう。3週目に飲み忘れた場合にのみ、例外的に休薬期間を設けずに対応します。

休薬しないでいいピルはあるの?

ピルにはいくつかの種類がありますが、日本で連続投与できる薬剤は超低用量ピルのみです。2つの薬剤があり「ヤーズフレックス」と「ジェミーナ」が該当します。

ヤーズフレックスであれば最長で120日、ジェミーナであれば最長77日まで連続して服用ができます。超低用量ピルは、低用量ピルと同じように卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されていますが、2つのホルモンの含有量が低用量ピルよりも少なく、長期間服用できるホルモン剤として処方されています。

その中でもヤーズフレックスは、子宮内膜の増殖を抑制して月経周期を整える作用があり、月経困難症にともなう下腹部痛や腰痛、PMSの症状を改善する効果が見込めます。ヤーズフレックスの飲み方は、最長120日間を継続して服用する方法と、28日周期で服用する方法の2つがあり、医師がその人に合わせてどちらの飲み方がいいか決めます。

ピルの休薬期間に関するよくある質問

生理や体調のリズムを整えるために欠かせないピルですが、休薬期間の過ごし方については不安や疑問を持つ方も多いですよね。ここでは、よくある疑問にお答えしているので、一緒に見ていきましょう。

休薬期間中に出血が来なかったら、妊娠の可能性がありますか?

休薬期間に入っても生理(消退出血)が来ない場合は、妊娠の可能性を疑いましょう
通常、休薬期間が始まって2〜4日程度で出血が起こります。もし4日目以降になっても出血がない場合は、まず妊娠検査薬で確認してください。妊娠が否定され、性交渉もなかったにも関わらず出血がない場合は、そのままスケジュール通りに次のシートを始めても問題ありません。不安な場合は必ず医師に相談しましょう。

休薬期間明けに飲み忘れたらどうなりますか?

次のシートの服用開始が遅れると、排卵が起こるリスクが高まります
薬を連続して飲んでいない期間が8日間以上になってしまうと、卵巣の働きが再開し排卵する可能性があります。もし飲み忘れが起こったら、新しいシートを開始してから7日目(7錠目)までは、いつも以上にコンドームの併用を徹底してください。21錠タイプの方は、カレンダーやアラームで服用開始日を厳重に管理するように注意しましょう。

生理の回数を減らすために、休薬期間をとらなくてもいいですか?

自己判断で休薬せずに次のシートを飲むのは避けましょう
ただし、月経困難症などの治療目的で生理の回数を減らしたい場合は、「ヤーズフレックス」や「ジェミーナ」といった超低用量ピルへの変更が推奨されます。これらのピルは、医師の指示のもとで休薬期間をスキップしたり延長したりして服用できるのが特徴です。休薬期間を設けずに生理の時期を遅らせる方法もあるため、自己判断せず、まずは医師に相談しましょう。

飲み忘れ防止用の「偽薬」は飲まなくても大丈夫ですか?

偽薬(プラセボ)は薬の成分を含んでいないため、飲まなくても問題ありません
28錠タイプに含まれる偽薬は、休薬期間中も毎日飲む習慣を維持し、新しいシートの飲み忘れを防ぐために存在します。服用しなくても効果には影響しませんが、飲み忘れてしまうと次のシートの開始日が遅れ、避妊効果が損なわれるリスクがあります。偽薬を飲まない場合は、カレンダーなどで次の実薬の開始日をしっかり把握しておきましょう。

休薬期間を14日とってしまったら避妊効果はどうなりますか?

休薬期間が7日を超えると、避妊効果は一時的に低下します
14日間休んでしまった場合、排卵が再開している可能性があります。気づいた時点ですぐに新しいシートの服用を始めましょう。再開後7日間は避妊効果が安定しないため、その間はいつも以上にコンドームの併用を徹底してください。休薬期間中に不安な性交渉があった場合は、婦人科で相談し、アフターピルの服用を検討するのもひとつの方法です。早めに対応すれば、予期せぬタイミングでの妊娠を避けられるので、焦らず医師に相談しましょう。

ピルの休薬期間中がしんどいです…なにか方法はありませんか?

医師に相談することで、症状を軽くしたり、休薬期間をなくしたりする選択肢もあります
休薬期間中に頭痛、吐き気、だるさ、気分の落ち込みといった症状が出るのは、ホルモンレベルが急激に下がるために起こる離脱症状です。
医師に相談することで、ホルモン量を調整した別のピルに変更したり、休薬期間を設けずに実薬を連続で飲む連続投与(ヤーズフレックスなど)に切り替えて治療を続けられる可能性があります。無理せず、婦人科に相談しましょう。

休薬期間中の妊娠確率はどれくらいですか?

低用量ピルを正しく服用できていれば、休薬期間中も避妊効果は継続しますので、妊娠確率は極めて低いでしょう
低用量ピルは毎日規則正しく服用することで排卵が起こらない状態を維持します。休薬期間に入っても排卵は抑制されたままなので、妊娠する可能性はほとんどありません。
ただし、飲み忘れがあったり、服用後に嘔吐や激しい下痢があったりした場合は、ピルの効果が弱まり排卵が起こる可能性があるため注意が必要です。ピルを毎日正しく飲んだ場合の妊娠率は年間で約0.3%と極めて低いですが、「絶対ではない」ことを理解し、コンドームなどほかの避妊方法を併用しながら服用しましょう。

避妊以外の目的(PMS治療など)でも休薬期間は必要ですか?

治療が目的なら、医師の判断で休薬期間をスキップする場合があります
休薬期間は、ホルモンの変動を伴うため、PMSや月経困難症の症状が重い方にとっては体調が悪化しやすい期間です。そのため、症状を安定させる目的でピルを服用している場合は、医師の指示のもと、休薬期間を設けずに実薬を連続投与することが推奨されます。これは、毎月の症状を極力なくすための有効な治療法のひとつです。

まとめ

低用量ピルを飲むときは、7日間の休薬期間を設けることが推奨されています。この休薬期間には、妊娠していないことを確認するなどの目的があるためです。またピルの服用を正しく続けていれば、ピルを飲んでいない休薬期間でも避妊効果が持続されます。ピルを飲んでいる間に自分の体にどんなことが起きていて、休薬期間にはどんな意味があるのか、この機会に知っておきましょう。

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監修者

六本木レディースクリニック医師
波羅 友里恵
2013年杏林大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院で研修。 愛育病院、国立成育医療センターを経て、 2018年より六本木レディースクリニックで不妊治療を行う。 現在は六本木レディースクリニック非常勤。 2024年よりメデリピルにてオンライン診療によるピル処方や、mederi magazineの記事監修を担当。 不定期で企業講演を行う。主に卵子凍結や、体外受精、治療に対する会社のサポートについて発信。

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